里山に佇む
国指定重要文化財の古社
石川県志賀町町居に鎮座する「松尾神社」は、平安時代の承和元年(834年)、京都の松尾大社から分霊を勧請したことに始まると伝えられる由緒ある神社です。御祭神は大山咋命(おおやまくいのみこと)と玉依比売命(たまよりひめのみこと)。古くから町居・草木・日下田の三村の惣社「松尾大明神」として崇敬されてきました。
現在の本殿は室町時代後期の永禄2年(1559)頃に建立されたと推定される建物で、一間社流造、板葺。能登地方に残る数少ない中世神社本殿建築の遺構として、昭和55年(1980)に国指定重要文化財に指定されています。さらに、茅葺屋根の拝殿も室町時代後期の建築とされ、昭和59年(1984)に石川県指定有形文化財となりました。
境内は静かな里山に囲まれ、茅葺屋根の拝殿が醸し出す趣は、まるで時代を遡ったかのよう。能登の歴史と文化を感じるこの場所は、建築美と信仰の深さを体感できる貴重なスポットです。




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