海と祭りを守り続ける
能登の祈りの社

石川県羽咋郡志賀町富来領家町に鎮座する「住吉神社」は、古くから海上安全と豊漁を祈る神として信仰されてきた歴史ある神社です。御祭神は底筒男命・中筒男命・表筒男命の住吉三神。能登の海とともに歩んできたこの社は、地域の暮らしと文化を支える存在です。

この神社を舞台に、毎年8月末には冨木八朔祭礼が行われます。神輿が海岸を渡御し、数十基のキリコが夜を彩る壮大な祭りは、能登の夏を象徴する伝統行事です。

しかし、2024年の能登半島地震で鳥居が倒壊。地域の人々の願いと努力により、約1年7カ月ぶりにヒノキ製・高さ約5メートルの新しい鳥居が再建されました。再建は祭りに間に合わせる形で行われ、この年の八朔祭礼では、神輿が再び鳥居をくぐる光景が戻り、復興の象徴となりました。

境内には静かな祈りと、地域の絆を感じる空気が漂います。能登の自然と文化を体感できるこの場所で、復興の力強さと伝統の美しさをぜひ感じてみてください。