能登の風土に生きた作家の
魂を刻む文学碑
石川県志賀町・西海風戸の海岸に立つ「加能作次郎文学碑」は、能登出身の文豪・加能作次郎を顕彰するために1952年に建立されました。富来漁港の南崖頂部に位置し、日本海を望む絶景の中で、彼の文学世界を静かに語りかけます。
加能作次郎(1885-1941)は自然主義文学の旗手として、大正から昭和にかけて活躍。能登の厳しくも温かな風土を背景に、人間の生き様を描き続けました。碑文には、彼が次女の結婚に際して色紙に記した言葉が刻まれています:
「人は誰でもその生涯の中に一度位自分で自分を幸福に思う時期を持つものである。」
この言葉は、作次郎の人生観と文学観を象徴するもの。碑石は長さ約3メートル、高さ1.5メートルの堂々たる姿で、訪れる人々に深い余韻を残します。
文学と自然が響き合うこの場所は、能登の文化を味わう旅に欠かせないスポット。荒波と断崖が織りなす雄大な景色とともに、作次郎の足跡を辿ってみませんか。




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