石積みの六角地蔵搭が伝える
悲しい船持の物語
石川県志賀町・大島海岸に佇む「大島諸願堂」は、室町時代から伝わる悲しい船乗りの物語を今に伝える場所です。
ここには、石積みの六角地蔵塔が静かに立ち、日本海の潮風に吹かれながら、供養の祈りを捧げ続けています。
その昔、肥前大村(現在の長崎県大村市)の船持・武太夫(ぶだゆう)の息子が乗った船が、大島沖で難破。
息子をはじめ乗組員たちは命を落とし、悲しみに暮れた武太夫は、故郷から石を運び、この地に地蔵塔を建立しました。
この六角地蔵塔は、高さ約3m、六面に地蔵菩薩が彫られた石積みの塔で、昭和48年に志賀町指定文化財に登録されています。
周囲は静かな海岸で、波の音が心に染み入るような場所。
地蔵塔のすぐそばには高台へ続く階段があり、登ると日本海の水平線を一望できる絶景ポイントもあります 。