歴史と風情が息づく港町
石川県志賀町の西端に位置する「福浦港」は、深い入江に囲まれた天然の良港として、古くから海上交通の要所として栄えてきました。
かつては「福良津」と呼ばれ、8〜10世紀には中国・渤海国との交易の窓口となり、国際交流の舞台でもありました。
江戸時代には、北海道から大阪までを結ぶ西回り航路の中継地として、北前船の寄港地としても繁栄。
港周辺には、当時の面影を残す文化財が点在しています。
- 旧福浦灯台:日本最古の木造洋式灯台。1876年に建造され、現在も日和山の断崖に立ち、海を見守り続けています。
- 腰巻地蔵:遊女が馴染みの船頭を引き止めるために地蔵に腰巻をかけたという伝説が残る、情緒ある石仏。
- 方角石(石造方位盤):航海の安全を願って寄進された、十二支と方位が刻まれた石盤。
- 極楽坂:北前船の水夫や身寄りのない遊女など、300体以上が埋葬された墓地。毎年6月に供養が行われています。
港町の街並みには、昔ながらの漁港の風情が残り、映画『リトル・マエストラ』のロケ地にもなりました。
静かな海と歴史の香りが漂うこの場所は、志賀町の文化と自然が融合した観光スポットです。