大島諸願堂
石積みの六角地蔵搭が伝える
悲しい船持の物語。
大島海岸には、室町時代から伝えられている悲しい船乗りの物語があります。
室町時代、肥前大村(現在の長崎県大村市)の船持
武太夫(ぶだゆう)の息子が乗った船が大島の沖で難破し、
息子はもちろん乗組員たちも死亡してしまったという言い伝えが残っています。
悲しみに暮れた武太夫は、何とか息子や乗組員たちの供養をしたいと考えます。
そしてはるか故郷の肥前から石を運び、大島の地にこの地蔵塔を建てました。
大島諸願堂は、今もなお日本海の潮風に吹かれながら
武太夫の切ない思いを伝え続けています。